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三菱重工業がCO2と水から液体合成燃料を一貫製造する実証に成功、脱炭素社会への貢献に期待
投稿日 2026年2月13日 14:21:59 (ニュース)
液体合成燃料の一貫製造プロセスとは
この実証では、SOEC共電解という技術を使って合成燃料の原料となる水素と一酸化炭素を同時に作り出し、その後、FT(フィッシャー・トロプシュ)合成装置でこれらのガスを液体合成燃料に変えるという一連の流れを確立しました。
三菱重工業の総合研究所長崎地区で行われたこの実証で製造された液体燃料は、分析の結果、持続可能な航空燃料(SAF)に適した成分であることが確認されました。

SOEC共電解技術の特長
SOEC共電解は、固体酸化物を電解質に用いて、水蒸気だけでなくCO2も同時に高温で電気分解できる技術です。これにより、合成燃料の原料である水素と一酸化炭素を一度に効率よく生産できます。この技術について、さらに詳しい情報はこちらで確認できます。
また、三菱重工業が独自に開発した円筒形セルスタックという部品を使うことで、プロセスの簡素化と高い効率での電解が可能になり、結果としてコスト競争力のある合成燃料の製造につながると見込まれています。この円筒形セルスタックの詳細はこちらでご覧いただけます。
FT合成は、水素と一酸化炭素を化学反応させて液体の炭化水素などを生成する技術で、ドイツの化学者フランツ・フィッシャーとハンス・トロプシュの名前に由来しています。
SAF需要の拡大と脱炭素社会への貢献
国際民間航空機関(ICAO)は、国際航空分野におけるCO2排出量を2050年までに実質ゼロにするという目標を掲げています。この目標達成には、SAFのような低炭素燃料が大きな役割を果たすと予測されており、今後世界的にSAFの需要が大きく拡大すると見られています。ICAOの目標に関する詳しい情報はこちらで確認できます。
三菱重工業は、今回のSOEC共電解とFT合成プロセスを組み合わせた一貫設備を通じて、付加価値の高いSAF製造装置の提供を目指しています。
SOEC共電解で生成される水素と一酸化炭素は、SAFだけでなく、自動車や船舶向けのカーボンニュートラル合成燃料(ガソリン、ディーゼル、メタノール、メタン)や都市ガス(メタン)の原料としても利用できます。このようにSOEC共電解技術は多くの用途に応用可能であり、脱炭素社会の実現に向けた多様な選択肢を提供できるでしょう。

三菱重工業は、今回の実証で得られた知見を活かし、脱炭素技術の早期確立と社会での実用化を進めることで、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとしています。
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