-
高校ラグビー大会で次世代映像制作を実証!NTT西日本グループがAIスロー・テロップもデータセンターから遠隔操作
投稿日 2026年1月8日 17:21:11 (ニュース)
-
AIスロー映像生成機器: AIによる高度な映像処理システムをデータセンターに集約し、IOWN APNの安定した通信品質のもとで、遅延なく遠隔操作・利用できることを確認しました。
-
テロップ制作・送出機器: IOWN APNの低遅延環境で、高度なテロップ制作・送出システムをデータセンターに集約し、遠隔運用における具体的な課題を洗い出すことができました。
導入:次世代ネットワークでスポーツ中継が変わる
NTT西日本グループは、2025年12月に開催された「第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会」において、株式会社毎日放送と協力し、最新のネットワーク技術「IOWNオールフォトニクス・ネットワーク(IOWN APN)」を活用したリモートプロダクション環境の実証を行いました。この取り組みは、AIを使ったスロー映像の生成やテロップ制作といった、映像制作に欠かせない高度な機能をデータセンターに集約し、遠隔から操作することで、将来的な制作体制の効率化と映像品質の向上を目指すものです。
従来の課題とIOWN APNの可能性
これまでのスポーツ中継などのイベント会場での映像制作では、多くの機材を積んだ中継車が使われるのが一般的でした。しかし、この方法では、機材やスタッフを配置する場所の確保が難しかったり、中継車の維持費やスタッフ派遣のコストがかかったり、また、毎回制作環境を整えるのに時間がかかるなどの課題がありました。
NTT西日本グループは、これらの課題を解決するため、次世代の通信基盤であるIOWN構想の中心技術「IOWN APN」に着目しました。IOWN APNは、大容量で超低遅延、そして通信のゆらぎがないという特徴を持っています。これにより、制作環境の効率化だけでなく、リアルタイムでのCG合成や、高精度なスーパースロー映像の生成といった、より高度な映像制作機能の遠隔操作が可能になると期待されています。
データセンターに制作機能を集中!遠隔での高品質な番組制作を実現
今回の実証では、NTTスマートコネクトのデータセンターと、試合会場の東大阪市花園ラグビー場、そして毎日放送本社を、「All-Photonics Connect powered by IOWN」という技術でつなぎました。これにより、映像制作の核となる主要な機能(IPスイッチャーやPTPグランドマスターなど)をデータセンターに集約。毎日放送本社から、IOWN APNの超低遅延ネットワークを通じてデータセンターにある制作システムを遠隔操作することで、中継車がなくても、地上波放送に耐えうる高品質な番組制作ができることを確認しました。
さらに、データセンターには以下の高付加価値映像制作システムも設置し、毎日放送本社から遠隔で問題なく運用できることを検証しました。

この取り組みの大きなポイントは、ラグビーコンテンツの制作にIOWN APNを適用しただけでなく、これらの高度な制作システムをデータセンターに集約し、超低遅延ネットワーク経由で放送局のサブコントロールルームから操作できるという点です。これにより、高付加価値化と効率化を両立する次世代の制作ワークフローが有効であることが実証されました。
関係者の声
株式会社毎日放送からは、今回の実証について以下のコメントが寄せられています。
「IOWN APNを活用したリモートプロダクションの実証は、『1万人の第九EXPO2025』制作に続き、今回で2回目となります。今回はさらに一歩進んで、AIスローやスポーツコーダのリモート制作という新しい試みに挑戦しました。MoIP(Media over IP)環境の構築や、今後の設備計画を具体化するうえで技術的な課題を洗い出すことができ、非常に有意義な機会となりました。社内設備の更新に向けて、引き続き運用面や費用面での具体的な検討を進めていきたいと考えています。」
今後の展望
NTT西日本グループは、今回の実証結果を活かし、放送制作におけるIOWN APNの活用範囲をさらに広げていく予定です。
具体的には、今回実証されたAIスローやテロップ制作機能といった高度な制作リソースをNTTスマートコネクトのデータセンターに集約し、誰もが利用できる「高付加価値機能の標準サービス化」を進めていきます。これにより、中継車が不要になることによる効率化に加え、コンテンツの種類や制作規模に関わらず、常に高品質で付加価値の高い映像を低コストで制作できる環境が整うことが期待されます。
今後も、野球やラグビーに続く新たなスポーツジャンルやイベントへの適用を積極的に展開し、放送業界全体のデジタル変革(DX)と、魅力的な映像コンテンツの創出に貢献していく方針です。
補足:IOWN構想とは
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、光を中心とした革新的な技術を活用し、高速・大容量通信や膨大な計算リソースなどを提供できる、次世代のネットワーク・情報処理基盤を目指すものです。これにより、あらゆる情報を基に、個と全体との最適化を図ることが可能になります。
APN(All-Photonics Network)は、このIOWN構想の主要技術の一つで、ネットワークから端末まで、すべてに光ベースの技術を導入します。これにより、現在の電子ベースの技術では難しかった、圧倒的な低消費電力、高品質・大容量、低遅延の通信を実現します。
リモートプロダクションは、イベント会場などの中継先と放送局をIPネットワークでつなぎ、放送局から中継先のカメラなどの機材を遠隔操作して番組制作を行う手法です。
All-Photonics Connect powered by IOWNは、お客様が指定する拠点間をポイント・ツー・ポイントで接続し、800Gbpsまでの高速・大容量で、低遅延かつゆらぎのない通信を実現するサービスです。
続きを読む>>最新情報
