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中国の対日情報工作が「公式発信」へ移行、日本の防衛・安全保障上の役割を弱体化か – JNIとASPIが共同レポート公開
投稿日 2026年1月20日 14:22:21 (ニュース)
中国の情報発信、手法が変化
今回の調査で明らかになった主なポイントは以下の通りです。
中国は、日本を対象とした情報発信の手法を、これまでのような発信元を隠した秘密裏の活動から、大使館や国営メディアを使った「公式な情報発信」へと変えつつあります。インド太平洋地域では、偽情報を含む公式な発信が受け入れられやすい土壌ができており、中国政府にとってこの手法を使う戦略的な価値が高まっていると考えられます。
日本を「地域の不安定要因」と位置付け
分析の結果、中国政府は日本がインド太平洋地域における中国の影響力拡大を抑える存在だと認識しており、日本を集中的に批判の対象としていることが分かりました。中国政府は、第二次世界大戦に関する歴史認識を持ち出し、日本の現在の防衛・安全保障上の役割を地域の不安定化要因として位置付ける言説を主に用いています。

第三国の世論を狙った影響活動
インド太平洋地域における中国政府の情報発信は、特にフィリピンとフィジーの国内世論を主なターゲットとして展開されていることが判明しました。これは、日本やアメリカとの関係に疑念や不安を生じさせ、地域における日本の立場や影響力を相対的に弱めることを狙っていると言えるでしょう。
このレポートの全文は、以下のリンクから確認できます。
JNIとASPIの提携について
JNIとASPIは2025年7月に、国家が主導する影響力工作や、それを支える生成AI技術への対応を強化するため、次世代オープンソースインテリジェンス(OSINT)に関する手法や技術の共同研究に向けた覚書を締結しました。今回のレポートは、この提携のもとで発表された初めての共同研究の成果です。
今後の展望
中国がインド太平洋地域で、影響工作を含む情報発信を強める中、日本を含む地域のパートナーを「正当性のない存在」として孤立させようとする活動は、今後さらに多様化・高度化していくことが予想されます。
JNIはこれからもASPIをはじめとする国際的な研究機関との連携を深め、安全で安定したインド太平洋地域の実現に向けて、民間企業として貢献していきます。また、国家主導型の影響力工作に対抗することで、急速な技術革新の時代における民主主義を守るための国際的な取り組みを推進していく方針です。
※1 インテリジェンス・コミュニケーション:悪意ある情報拡散に対抗することを目的とした、情報収集・分析に基づいたコミュニケーション戦略です。分析、戦略的コミュニケーション、危機管理、リスク評価、メディアや各種コミュニケーションチャネルを通じたターゲットへの情報発信などを活用します。
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