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アウェー地上波未放映で盛り上がらなかったW杯出場決定・・・渋谷のスクランブル交差点に歓喜の渦が生まれたのは過去の話
投稿日 2022年5月4日 23:03:46 (スポーツ)
サッカー男子日本代表が3月24日、ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選でオーストラリアに勝ち、7大会連続のW杯出場を決めた。
しかし、国内ではいつもの盛り上がりに欠けていた。新型コロナウイルス禍に加えて、アウェー戦は地上波での生放送がなかったためだ。
厳しい環境の中、日本サッカー協会(JFA)はW杯本選に向けた対策や将来に向けた投資に力を注ぐ。
コロナ禍はサッカー界にも大きな逆風となった。感染対策で観客数制限が設けられ、
昨年9月~今年3月に行われたアジア最終予選ホームゲームは空席が目立った。
3月29日のベトナムとの最終戦だけは埼玉スタジアムに4万4600人が集まったが、常に6万人近くを動員していた過去の最終予選に比べると寂しさは否めなかった。
加えて、最終予選からアウェーの地上波放送がなくなり、有料映像配信サービスDAZN(ダゾーン)の独占配信のみになった影響も非常に大きかった。
0対0の緊迫した展開が続いたオーストラリア戦の試合終了間際、後半39分に投入されたドリブラーの三笘薫選手(サンジロワーズ)が2発をたたき込んで勝利をもぎ取ったが、
劇的な瞬間を目撃できたファンは限られていた。
アウェーの地上波放送消滅は、放映権ビジネスに乗り出したアジア・サッカー連盟(AFC)が18年、
中国企業とスイス企業の合弁DDMCフォルティスと代理店契約を結んだことが発端といわれる。
それまでアジア予選の日本代表戦はテレビ朝日がAFCから権利を購入して放映してきたが、
昨年8月にDAZNがAFCと28年までの長期契約に合意。放映権料は8年間で推定20億ドル(約2500億円)ともされる。
日本のテレビ局は巨額の提示に太刀打ちできなかったが、最終予選のホーム5試合はテレビ朝日が個別交渉し、何とか放送が実現した。
だが、日本代表が苦戦を強いられた今回の最終予選では、昨年10月のサウジアラビア戦、11月のベトナム、オマーン2連戦、そして冒頭のオーストラリア戦と重要な局面がアウェーに集中した。
これまでは、苦しい予選の戦いをファンと一緒にリアルタイムで共有することが、ファン層のさらなる拡大やW杯本選への盛り上がりにもつながっていた。
しかし、W杯出場決定後、東京・渋谷のスクランブル交差点に歓喜の渦が生まれたのは過去の話。
今回のW杯切符獲得を、スマートフォンなどのニュース速報で知ったファンも少なくなかった。
JFAも厳しい現実を認めている。JFAの須原清貴専務理事は「DAZNに(試合放映を)感謝したい」としたうえで、
「昨夏の東京五輪もそうだったように、スポーツは人々に元気や希望、感動を与える重要なコンテンツで、公共財だと思っている。
ユニバーサルアクセス(誰でも視聴可能な環境)で届けられなかったことは極めて残念」と振り返る。
JFAの田嶋幸三会長は今回の事態を受けて「代表戦など公共性の高いスポーツをユニバーサルアクセスで届けるような法整備が必要」といったコメントも残したが、それを実現させるのは容易ではない。
FAもAFCを構成する一協会にすぎず、各国協会の財政事情や視聴環境もそれぞれ異なる。
それでも、須原専務理事は「AFCももっと将来を見据えて取り組む必要があり、それをJFAとしても訴えていく」と強調する。
すでにJFAは前を向いている。W杯カタール本大会では、NHK、フジテレビ、テレビ朝日の日本戦地上波放送が決定。
ネットテレビ局のAbema(アベマ)TVも大会全64試合を無料配信する。JFAもテレビ局と協業し、本選に向けて機運を盛り上げようと取り組んでいる。
4月から専門メンバーとの会合も立ち上げ、情報発信の方法やタイミングについて議論をスタートさせたところだ。
須原専務理事は「地上波が人間の動脈・静脈だとすれば、アベマは毛細血管。より細かいニーズに合わせた情報提供を実現できる。
今後も代表戦の基本は地上波だが、アベマとともに新たな事業展開ができるのは非常に前向きなことと捉えている」と話す。
11月21日のW杯カタール本大会開幕に向け、いつ情報提供のピークを作れば人々の関心を最大化できるかをシミュレーションしているという。
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220517/se1/00m/020/027000c
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Source: サムライ ゴール
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