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2025年の人手不足倒産、初の年間400件超えを記録し3年連続で過去最多を更新。建設業・物流業で高水準、今後は「賃上げ難型」の倒産に警戒が必要
投稿日 2026年1月8日 14:22:27 (ニュース)
2025年の人手不足倒産、過去最多を更新
2025年の人手不足倒産は427件に上り、前年(342件)を85件、約24.9%も上回りました。これにより、人手不足倒産は3年連続で過去最多を更新しています。
特に目立つ業種は?建設業・物流業が牽引
業種別に見ると、建設業が113件と初めて100件を超えました。また、物流業も52件となり、いずれも過去最多の件数となっています。これらの業種では、2024年4月から時間外労働の新たな上限規制が設けられており、人手不足がさらに深刻化した可能性が考えられます。
その他にも、老人福祉事業(21件)、労働者派遣業(13件)、美容業(11件)、警備業(10件)など、人の手が多く必要とされる労働集約型の業種で、人手不足を理由とした倒産が増加傾向にあります。
中小企業への影響大、従業員10人未満が77%
倒産した企業全体(427件)のうち、実に77.0%にあたる329件が「従業員10人未満」の小規模企業でした。これは、従業員が一人でも退職すると経営に大きな打撃を与え、それが直接的に人手不足倒産につながりやすいという小規模企業の実情を浮き彫りにしています。
賃上げの動きと「賃上げ難型」倒産への警戒
帝国データバンクが2025年12月に発表した「2026年の景気見通しに対する企業の意識調査」では、「人手不足」が懸念材料の2位に、また景気回復に必要な政策として「人手不足の解消」が2位にランクインしており、多くの企業が人手不足を重要な経営課題と認識していることが示されました。
こうした状況の中、政府は「年収の壁」と呼ばれる配偶者特別控除の非課税枠を、2025年度に103万円から160万円へ、2026年度には178万円へ引き上げることを税制改正大綱に盛り込みました。これにより、主に非正社員の「働き控え」が緩和され、人手不足の解消につながることが期待されています。
一方で、企業は人材確保のために賃上げを急いでいます。2025年の「春闘」では、民間主要企業の平均賃上げ率が5.52%となり、2年連続で5%を超える異例の賃上げを記録しました。2026年も物価高を背景に、大企業を中心に賃上げの動きは加速すると見られています。
しかし、この賃上げの動きに追随することが難しい小規模企業では、賃上げができないために従業員を確保できず倒産してしまう「賃上げ難型」の人手不足倒産が高水準で発生することが懸念されます。
今後の見通し
人手不足倒産の件数は、このような賃上げの動きと中小企業の対応能力の差によって、当面の間、高い水準で発生し続けると予想されます。
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