これには社会のIT化というイノベーションが密接に関係しており、逆にいえば、この動きを逆手に取ることで、若者を取り戻すことができる。そのためには、自動車業界自身が抜本的に変わらなければならない。
自動車産業というのは完全にグローバル化しており、自動車の販売価格は国内事情とは無関係に決まる。過去20年、世界経済は順調に成長し、日本を除く各国では賃金が著しく上昇したので、自動車価格も上がる一方だった。
トヨタ自動車の1台あたりの平均販売価格は、1990年代には200万~250万円だったが、2000年代には250万円を超え、2015年以降は300万円を突破している。
一方で日本人の実質賃金は過去20年で大幅に下がっているので、日本人にとってクルマはもはや高嶺の花となっている。
装備にもよるが、200万円もする軽自動車が存在する時代であることを考えると、年収が低い若年層がクルマを買えるワケがない(自動車メーカーは日本の所得が減っているからといって、日本でだけクルマを安く売ることはできない)。
中国のメディアでも、若者があまりクルマを好まなくなっているという記事が目立つ。両国は日本とは異なり、所得が大幅に拡大しているので、必ずしもお金が原因ではない。
若者を取り巻く一連の状況を考えれば、自動車業界が若者を取り戻す方法はシンプルである。他者とつながりたいという若者の欲求を満たす最大のツールがITならば、クルマをITオリエンテッドな製品(あるいはサービス)に変えればよい。現実的にはITサービスと連動した自動車のサービスや、自動運転サービスということになる。
自動車が所有するものから、利用するものへと変化するという、パラダイムシフトが発生しつつあるのは以前から指摘されてきたことだが、自動車メーカーの対応はかなり消極的だったといってよい。だが、将来の出来事と思われていたパラダイムシフトはすでに現実のものとなっている。
先日、このコラムでも紹介したが、米アップルや中国の配車アプリ最大手「滴滴出行(ディディ)」、中国のネット大手の百度(バイドゥ)など巨大IT企業が相次いでEVの製造販売に乗り出すと発表している。これらIT企業が手がけるEVは基本的にITサービスありきとなっており、乱暴に言ってしまえば、クルマはITサービスの付属品、あるいは周辺機器でしかない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a2068dd1dd827db5c0e910d3b85fc5e745c5b68
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Source: バイク速報

